海は本当に青かった!
この写真は以前に調査航海で東京から南東へ 2000km も離れた太平洋のど真ん中の海面を写したものだ。
補正がかかっているわけでもなく、本当に嘘のように真っ青。
沖縄やキューバの海も青いが、それは水がきれいであるだけでなく、水深が浅いからだ。
深い海でも陸に近いところではこんなにも青くはならず、緑がかっていたり、暗い色だったりする。実際、小笠原あたりを通る時はこれほど透明感のある青ではない。
なぜこんなにも青いのかというと、陸から遠く離れたこの辺りの海は、主に陸から供給される栄養が非常に少なく、プランクトンなどがいないからだ。
そのため、不純物の少ないこの辺りの海では、水本来の青が見える。
しかし、栄養が少ないことは、生物にとって厳しい環境であることを意味する。
実際、この辺りには魚も、クジラやイルカも、鳥もなんにもいない。
それはさながら砂漠のようである。
この殺伐とした美しい海を眺めていると、畏敬と安らぎに混じった不思議な気持ちになって、とても気持ちがいい。
こんな飛び抜けた地球の美しさに出会えるから、地球科学の研究は楽しい。