はやぶさラボ

地球科学の若手研究者のプライベート

本の感想:立入勝義 著『ADHDでよかった』

私は本を滅多に読みませんが、自分の興味のある本であれば読めます。今は発達障害にとても興味があるため、この本を読みました。

 

立入勝義 著

ADHDでよかった』

新潮新書

 

結論から言うと、読んでとてもよかったです。著者の方もADHDと診断されたそうですが、ご自身の弱みと強みを分析し、強みを活かせるよう生き方を変えたことで、ご自身が幸せになり、社会で活躍されているそうです。

 

本書を読んで、私も自分の弱みと強みを分析して受け入れ、自分らしく、生き方を変えて自己実現しようと思いました。

 

本書の中で私がグッときたのは、

"個性を活かす道を徹底的に模索することで活路が得られるというのは、今では私の信念になっています。"

"弱点を補強することも確かに大事なのですが、それ以上に大事なのは自分の武器を磨き上げることです。自身の課題に向かいあう一方、自分は何が一番得意なのかを徹底的に考えました。"

"また長所を伸ばすために、仕事は自分が本当に情熱をもって取り組むことができることだけを選別するようにしました。"

の3つの文章です(引用)。

そうですね、人と同じように生きなくてもいいんですね。私は意識的にも無意識的にも、人と同じように生きてきたように思います。これまでのキャリアや経験は私独自のものですが、例えば「みんなが興味をもつものに自分も興味を持たなければならない」「机にはじっと向かわなければならない」「研究者たる者はみな目指すべき像がある」のような、人として、社会人としての様式的なことに囚われ、自分の短所と長所を顧みてきませんでした。

そして最近何かとうまくいかないとき、自分を変えよう変えようと思いつつも、それをうまく成し遂げられませんでした。

そこで必要なのは、自分を変えるのではなく、自分を受け入れ、分析して対処し、活かしていくことだと気づきました。

 

そして本書で目から鱗だったのは

"仕事の合間でも集中できなくなってきたと思えば、無理して机にしがみついたりせず外に出て散歩するようにしています。"

という対処法です。「それでいいんだ!」と思いました。今まで集中できなくても、無理矢理机に向かって、色々なことに手を出しながら、あ〜う〜と苦しんできました。でも、できないことを無理してやらなくていいんですね。むしろできずに苦しんで、疲れてさらにできなくなり自己嫌悪に陥るという悪循環にハマってしまいそうです。

下手の考えやすぬに似たり、ですかね、違うか。

とにかく私も、自分がリラックスできる環境を、積極的につくっていこうと思います。

 

最後にぎくっとしたのは、引用の引用になってしまいますが、

"百回の心理療法より一回の診断"
という言葉

 

私はADHDの傾向を持っていると精神科医に指摘され、その際には困っていなかったため診断は必要としませんでした。

ですが、他にも特性があるようで、自分の特性の正体と全体像ははっきりしません。自分で調べるだけでいいと思っていましたが、やはり専門家の意見を素直に聞くべきでしょう。

これを機に、ちゃんと専門家に診てもらい、カウンセリングを受けてみることにしました。

 

私はもう36歳、奮起するのには遅いと思うこともありますが、確か黒柳徹子さんがおっしゃっていたんじゃないかと思いますが、「何かを始めるということについて、遅すぎるということはない」という言葉がいつも励みになります。

 

ここで人生をもう一度始めるつもりで、自分をもう一度めいっぱい楽しめるよう試行錯誤していきます。